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テクノロジーの価値と普遍的な価値について。Adtech Tokyo 2013で思ったこと。

まずは

Adtech Tokyo 2013で思ったこと。といっても、「このテクノロジーは流行る」「これからの時代はこれだ」という話ではなくテクノロジーと販売方法について思ったこと。

 

今回のAdtechはDSPとかDMPとか、流行のキーワードを売りにしている会社がとにかく多かったと思う。2011年にフリークアウトがDSPを初めて作ってから2年がたって、DSPを日本で展開している会社は国内外のプレイヤーをあわせて10社以上あったかもしれないくらい展示している企業が多かった。

 

プロダクトとしてのDSPはロジカルに今までの広告配信と比べても良いし、大きな流れでいったら純広告はかなりの部分をRTB対応すると多くの人が思っているのだと思う。だから、2年間で10社を超える会社が日本でビジネスを展開するようになったんだと思う。

 

そんな中でDSPは2年前と今と比較してプロダクトとその価値はどうかわったのだろうかというところにいろいろと思うところがあった。

 

本題

 

2年前までのDSPはDSPを使うこと自体が多くのクライアントにとって大きな価値があるテクノロジーだったんだと思う。でも、今はDSPというプロダクトを提供できる会社自体は何社もあって、クライアントの意識としては「DSPを使う」ということから「どのDSPを使うか」ということに意識が変化しているように思えた。コンセプトを売りとしたテクノロジーは正直パクるのが簡単なのでみんながロジカルにいけていると思うのでテクノロジーはすぐにパクり合うことになる。そうすると結果として、テクノロジー自体は陳腐化して「利幅を減らし合う競争」か「テクノロジーを使った価値創出の度合い」の2点に競争が変遷していく。前者の戦略は競争優位の源泉が安さにあるため、わかりやすく販売をしやすい。でも、今までの利益率を確保するためには後者の戦略をとらざる終えない。

 

その時点で営業はコンセプトで売るスタイルから販売方法を変えなくてはいけなくなるし、開発は販売方法にあわせたプロダクトロードマップを立てなくてはいけなくなる。テクノロジーのコンセプトを売りにしている会社はその変化点を常に意識しながら、販売方法やプロダクトロードマップを変えていかないとプロダクトは陳腐化し、販売上での競争優位性を失っていくのだと思った。

 

自分が代表をやっている会社はDMPやデータマイニングといった現時点ではコンセプト面でいけているプロダクトを展開している。これに関してもコンセプト自体は近い将来陳腐化をしていくし、しっかりと普遍的な価値との連動を考えたプロダクトを作っていかなきゃいけないと思った。

 

この事象自体はアドテクノロジーの業界のDSPという1広告商材で起こりつつある出来事だけど、多くのコンセプトを売りにしたプロダクトはこれに陥るのだと思う。そうならないためにも常に「テクノロジーのコンセプトの価値」と「普遍的な価値」を常に頭の中で切り分けていく必要があると思う。